2-2. 湿地データベース
湿地データベースは、湿地ID(Wetland_ID)、レベル(Level)、湿地名(Name)、よみがな(E_Name)、備考(Note_Check)、経度(x, lon)、緯度(y, lat)から構成される。
位置の特定:収集した文献に掲載されている湿地について、ArcGIS上で位置の特定を行い、ポイントデータを作成した。湿地の確認は、電子国土基本図(地図情報)、国土地理院公開の空中写真(過去のものも含む)、NTT空間情報株式会社のGEOSPACE CDS、林野庁の空中写真、MicrosoftのBing Maps、GoogleのGoogle Earthを用いた。
文献に掲載されている地図や位置に関する記述をもとに湿地を探索、文献の位置情報があいまいな場合は、同名の湿地に関する他の報告の記述などを参考に湿地を探した。湿地が見つかった場合は、現況の湿地の状態を確認し、中央部付近、あるいは良好な湿地環境の場所にポイントを打った。湖沼の場合は、陸域湿地面積が広ければ湿地の部分に、湿地面積が狭く開水面がほとんどの場合は湖沼の中央部に、ポイントを打った。
文献には湿地情報が記載されていても、現在は消滅したと判断された場合は、ポイントを作成し、備考に「消滅」と明記した。
湿地の名称:湿地の名称は、基本、対象文献に書かれている名称を採用した。ただし、論文内の名称とは異なる通称が存在し、すでに多くの人が利用、現地に看板等が設置されている場合などは、通称を湿地名とした。また、国土地理院の地形図に名称が書かれており、それが文献と異なる場合は、国土地理院の名称、あるいはそれに近い名称を用いた。
湿地IDとレベル:各湿地に6桁のIDを付与した。ただし、本データベースでは、湿地によっては、湿地の名称について階層構造を作成した。たとえば「尾瀬ヶ原」では、広い湿原の一部について名称が存在し(たとえば、尾瀬ヶ原下田代、目無原)、その地域についてのみ調査した文献が多数存在する。文献と湿地IDは連動するようにデータベースを設計したので、この様な特定地域の名称にもIDを付与した。そして、レベルの列に上位の湿地ID(つまりこの例では尾瀬ヶ原の湿地ID)を明記した。
湿地データベース メタデータ Metadata of “Wetlands_Database_20200326”
Wetland_ID | 湿地の固有番号(6桁整数) |
Level | 湿地のレベル(上記参照) |
Name | 湿地の名称(日本語) |
E_Name | 湿地の名称(よみがな) |
Note_Check | 備考 |
x | 経度(10進法) |
y | 緯度(10進法) |
lon | 経度(60進法) |
lat | 緯度(60進法) |
GISデータ:湿地の位置をポイントデータとして記録した。